2017年8月3日木曜日

女性アスリートの方へ

女性のスポーツ人口が年々高まっています。
日本人女性がオリンピック(夏季)に初めて参加したのが、第9回アムステルダム大会でした。その後も女性の参加率はずっと低かったのですが、去年のリオ五輪では男女比51:49と半々となっています。街中でも女性が運動されている姿をよく見ます。

とても良いことなのですが女性と男性は身体の作りが違いますので、男性とは異なった健康障害も競技人口増加に比例して増えてきています。
そこで、今回は〖女性アスリートの三主徴〗というものをお伝えします。

1、利用可能エネルギー不足
 運動によるエネルギー消費量に対して、食事などによるエネルギー摂取量が不足した状態をさします。この状態が続くと、卵巣を刺激する脳からのホルモン分泌(黄体形成ホルモンなど) が低下したり、骨代謝を含む身体の諸機能に影響を及ぼすと考えられます。

2、視床下部性無月経
 オーバートレーニング、急激な体重減少、ストレス、エネルギー不足などが原因で脳の視床下部という所での内分泌調節機能が低下し、ホルモンのバランスが崩れます。これにより月経周期が乱れます。これまであった月経が3か月以上停止した状態が無月経となります。

3、骨粗しょう症
 骨量が減少し、かつ骨組織の微細構造が変化することで骨が弱くなり、骨折の危険性が増加する疾患です。卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンは、骨代謝にも関係しています。つまり、無月経が続くとエストロゲンが少ない状態になり、骨量低下が進行し、疲労骨折のリスクが高まります。

この3つは継続的な激しい運動トレーニングが誘因となり、それぞれが相互に関連し、短期間での回復はむずかしい為、女性アスリートにとって重要な問題になります。

心当たりのある方は一度、婦人科など医療機関を受診されることをお勧めします。